宅建士資格を持っていると専門的な知識を活かして活躍の場を広げる事が可能であり、宅建士しか行う事ができない独占業務もあるため、需要がある資格として非常に人気が高いです。
以前に本サイトでアップした以下の記事でも軽くご紹介していますが、就職・転職にも有利に働く場合が多いと考えております。
本記事では、より詳しく「本当に宅建士資格は就職や転職に有利に働くのか」や、「どういったポイントで宅建士資格を活かすことが出来るのか」、更には「待遇はどうなのか」などを掘り下げて見ていきたいと思います。
せっかく難易度の高い資格の取得に挑むわけですから、それに見合ったような待遇があるのかどうかも気になるところでしょうし、求人もどんなものがあるのか知りたいですもんね。
そんな方に有益な情報が満載!(…なはずw)ですので、これから宅建士を勉強しようとされている方も、この記事で今後のイメージを膨らませて下さいね。
不動産業界への就職・転職
こんな事は今更言うまでもないと思いますが、宅建士資格を有していると不動産業界への就職、転職にはハッキリ言って有利です。
宅建士には独占業務があり、その独占業務がモロに必要になってくるのがこの不動産業界です。
求人情報などで調べたことがある方ならご存知かと思いますが、不動産業界では宅建士資格を必須としているところも多く、資格さえ持っていれば比較的容易に就職することが出来ます。
これも別記事でご説明しましたが、不動産業を行う会社では営業所ごとに宅建士資格保持者の設置が義務付けられており、その割合は5人に1人と定められています。
こういった決まり事があるだけに、不動産業を行う会社では特に宅建士資格を既に有している方を求めています。
入社してから取得させるという流れもありますが、やはり会社側からすればハナから持っている人の方がいいのは当然です。
ただ、宅建士資格を持っていない場合でも就職に苦労するというほどでもありません。
他のビジネス系資格である社労士や司法書士などの資格は、そういった専門事務所で働こうと思うと既に資格を持っていないとそもそもお断りというところも多いのが実状で、よほどその業界で経験があったりしないと面接までたどり着く事すらできないケースも多いようです。
宅建士でもそういった求人もなくはないですが、他の難関資格と比べると比較的やさしいといえるでしょう。
あと、気になるお給料面ですが、こちらは宅建士資格を保有している場合でもなかなかシビアな世界です。
インターネットやハローワークで求人を見ていただければおわかりいただけるかと思いますが、給与水準が低いものも結構多く、正直言ってそこまで良い待遇の求人は少ないと思っていただいた方がいいでしょう。
求人での相場としては年収400万前後といったところでしょうか。
「これじゃ一般企業の社員と何も変わらねぇじゃねぇか!」と発狂しそうになりますが、あくまでこれは平均的な相場の話であって、会社によって結構バラツキがあります。
求人の数自体はどの地域で調べてみても相当な数が出てくる(それだけ人手が足りてないんでしょう汗)ので、給料などの条件面で自分が納得できるものを探すのがいいでしょう。
ちなみに、不動産会社で求人を調べると以下のようなものが見つかりました。
月給 |
20~23万円 |
宅建士の資格取得条件 |
資格所有者優遇 |
その他特記事項 |
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月給 |
22万円 |
宅建士の資格取得条件 |
資格所有者優遇 |
その他特記事項 |
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月給 |
23万円~ |
宅建士の資格取得条件 |
なくても積極的に採用 |
その他特記事項 |
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月給 |
23~25万円 |
宅建士の資格取得条件 |
なくても可 |
その他特記事項 |
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月給 |
28~31万円 |
宅建士の資格取得条件 |
資格必須 |
その他特記事項 |
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やはり宅建士資格を保有している場合は募集内容と合致するケースが多く、それぞれ有資格者には給与の上乗せがあったりと待遇もよくなるのがわかります。
上乗せ額は大体2万円~4万円が相場といった印象です。
資格手当が5万円以上というところもごくわずかにありましたので、そういった求人を見つけたら超ラッキー!
レア度で言うならポケモンのミュウくらい(←言い過ぎ)なので、それだけでも応募してみる価値はあるでしょうね。
また、参考までに転職重視の某求人サイトで他の士業系資格の事務所の月給も調べてみました。
宅建士資格保有者を優遇してくれるような記載がある不動産会社との給与比較を表にしてまとめてみましたのでご覧下さい。
※検索条件:東京都で各士業の事務所勤務。月給の上限が一番高い募集を載せてます。
資格名 | 月給 |
社会保険労務士 | 20~60万円 |
司法書士 | 30~50万円 |
税理士 | 24~45万円 |
土地家屋調査士 | 18~40万円 |
行政書士 | 23~35万円 |
宅地建物取引士 | 18~33万円 |
この一覧を見て頂ければお分かりいただけると思いますが、まぁなっかなか水準は低いです(苦笑)
司法書士事務所や税理士事務所は安定して高い水準を保っていますが、土地家屋調査士事務所や行政書士事務所、社労士事務所はかなり振り幅が大きく、どの求人に応募するかで将来かなり差が出てしまう可能性が高いと感じました。
一方、宅建士資格を優遇してくれるような不動産会社でもそこまで高い月給のところは見当たりませんでした。
しかし、下限の18万円などの20万円前後の求人に関してはほとんどが「営業事務職」のものだったため、単純に営業職などの求人になると25万円前後の月給が多くあった印象です。
よく言われる資格取得の難易度で言えば、これらの士業系資格よりも宅建士の方がかなり易しいと言われておりますが、求人の給料で比較してみるとそんなに差はない感じですね。
ただ、そうは言っても後々の給料の伸び率や独立開業してうまく仕事が受注できた際の給料は他の士業系の資格には遅れを取るかたちになるケースが多いでしょう。
これらをざっくりまとめると、資格を持っていれば入口の門戸は広いが、条件的に凄くいいとは言えない。といったところでしょうか。
他の業界や一般企業への就職・転職
不動産業界のみならず、他の業界や一般企業でも宅建士の資格は活かす事ができます。
特に金融業界(銀行など)の場合は、業務のひとつに貸出業務がありますので、その時に担保になる不動産や土地の価値はいかほどのものか算定するのに宅建士の知識が役立ちます。
また、その他の一般企業でも総務部や財務部で知識が活かせる事もあります。
これは上記2つのような部署は自社が保有する土地や建物を管理運営する部署であるためで、必ず宅建士を持っていないといけないという事はありませんし、使う頻度もそれほど多くはないですが、あると重宝される資格です。
あと、実際にその企業で宅建士の知識を活かして仕事をするわけではなくても、そういった専門知識を保有している人材、難関と言われている宅建士資格を取るポテンシャルを持った人材ということで、人事部の方も評価を高めてくれるという見方もできます。
このことからも、宅建士資格を保有していれば比較的有利に就職・転職を進めていけると言えるのではないでしょうか。
結局のところ宅建士は就職・転職に有利なの?
宅建士は不動産業界では就職・転職に有利ということは皆さん大体イメージできたことだとは思います。
実際にそのイメージはおおむね間違ってはおらず、不動産業界では宅建士資格を持っているともちろん有利に働くことがほとんどでしょう。
というか、資格を持っていないとハナから相手にされないケースもチラホラあるので、これから不動産業界への就職・転職を考えておられる方は必須だと考えておいた方がいいでしょう。
「なくても就職・転職できるならいいやぁ~」とか思ってしまうとその時点でモチベーションが下がっちゃいますし、何より資格を持っている持っていないで今後の年収とかがガッツリ変わってきてしまうので、早めに取っておくに越したことはないです。
どちらにせよ資格を持っていないと就職後に取りに行かされる可能性が高いですからねw
一般企業の場合はケースバイケースとなりますが、何もないよりは確実に評価は高くなります。
求人情報を見て不動産に少しは関連づきそうだなぁと思う企業であれば、資格保有を評価してもらえる確率が高いのではないでしょうか。
例えばパーキング事業運営と記載があれば、かなり高い確率で土地や建物の知識が必要になってくると思うので狙い目だと思いますよ。
まとめ
ここまで色々と書いてきましたが、結局のところ宅建士の資格を持っていれば、就職・転職に有利に働くことは間違いないと言えるでしょう。
持っているからといってマイナスになることはまずないです。
そんなパターンがあるなら逆に教えてほしいですw
そのまま宅建士の知識を活かせす事ができる不動産業界は資格を保有している事が条件とされているところも多く、そういった場合は資格手当がつく場合がほとんど。
このあたりは事前にしっかり確認しておきたいポイントですね。
金カネいやらしいですが、お金がないと好きなこともできないですからねw
一般企業に就職・転職する場合でも、合格が難しいとされる部類の資格を取得しているという点で自身の継続力や知識力のアピールポイントとなりますし、書類選考や面接の時にもライバルから一歩リードしていると考えていいでしょう。
これから就職・転職の武器として宅建士資格取得を目指す方は、資格を取ることを目的とするのではなく、その先を見据えた今後のキャリアプランの一つと考えて、資格取得後のレベルアップも視野に入れていきましょう!