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宅建士試験の合格率はどれくらい?過去20年分の試験結果をもとに解説

宅建士試験は法律系・ビジネス系資格の中では比較的難易度が低く、合格率も高い方だと言われています。

とはいえ、宅建士(宅地建物取引士)も「士」が付くこともあり、司法書士や行政書士といった「先生」と呼ばれるような人達と同じ立派な「士業」になりますので、(宅建は先生とは呼ばれませんがw)合格率も案外低いのではないかと心配しておられる方も多いでしょう。

この記事では、宅建士試験過去20年間の合格率をご紹介するとともに、そこから読み解ける背景を管理人独自の目線で解説していきます。

宅建士試験過去20年間の合格率は平均15.5%と結構低い

まずは宅建士試験の過去20年間の申込者数、受験者数、合格者数、合格率、合格点をまとめた表を見てみましょう。

実施年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率 合格点
2005年
(平成17年)
226,665人 181,880人 31,520人 17.3% 33点
2006年
(平成18年)
240,278人 193,573人 33,191人 17.1% 34点
2007年
(平成19年)
260,633人 209,684人 36,203人 17.3% 35点
2008年
(平成20年)
260,591人 209,415人 33,946人 16.2% 33点
2009年
(平成21年)
241,944人 195,515人 34,918人 17.9% 33点
2010年
(平成22年)
228,214人 186,542人 28,311人 15.2% 36点
2011年
(平成23年)
231,596人 188,572人 30,391人 16.1% 36点
2012年
(平成24年)
236,350人 191,169人 32,000人 16.7% 33点
2013年
(平成25年)
234,586人 186,304人 28,470人 15.3% 33点
2014年
(平成26年)
238,343人 192,029人 33,670人 17.5% 32点
2015年
(平成27年)
243,199人 194,926人 30,028人 15.4% 31点
2016年
(平成28年)
245,742人 198,463人 30,589人 15.4% 35点
2017年
(平成29年)
258,511人 209,354人 32,644人 15.6% 35点
2018年
(平成30年)
265,444人 213,993人 33,360人 15.6% 37点
2019年
(令和元年)
276,019人 220,797人 37,481人 17.0% 35点
2020年
(令和02年)
259,284人 204,247人 34,337人 16.8% 38点
36点
2021年
(令和03年)
296,518人 234,714人 41,471人 17.7% 34点
34点
2022年
(令和04年)
283,856人 226,048人 38,525人 17.0% 36点
2023年
(令和05年)
289,096人 233,276人 40,025人 17.2% 36点
2024年
(令和06年)
301,336人 241,436人 44,992人 18.6% 37点
平均 255,910人 205,597人 34,304人 16.7% 35点

※2020,2021年度は10月/12月の年2回実施の合算値

この表を見てみると毎年合格率は大体15~18%となっており、過去20年間の合格率平均は16.7%になりました。

上でも書きましたが、宅建士試験は法律系・ビジネス系資格の中では比較的難易度が低く、合格率も高い方だと言われています。

ただ、この合格率を見て難易度が低いと感じた方は何人くらいいらっしゃるでしょうか?

過去20年間で合格率が最も高かったものでも平成21年度/令和3年度(10月度)に実施された試験で17.9%という数字ですので、毎年8割強の方が試験不合格となっているワケです!


「宅建士試験は簡単だ」と、情報に踊らされている方がいらっしゃれば、是非この表で現実を見て下さい。

案外合格率は高くないですし、甘く見て試験に挑むと返り討ちにあうことになりますのでご注意を。

(余談)
実際、私の先輩は「宅建士なんて余裕余裕!」と言ってほぼ勉強せず試験を受けて撃沈していましたw

宅建士の合格率が噂ほど高くない理由はコレ

宅建士試験の合格率は毎年大体15~18%と、ちまたの噂ほど合格率が高くないのは上でもご説明しましたが、それには大きく分けて2つの理由があると考えております。

あくまで管理人の考えですので、「いや、それは違うだろ!」という意見は受け付けません!w

理由その1:
受験資格に制限がないため、受験生のレベルを下げている!

宅建士試験は年齢や学歴、実務経験などによる受験制限がないため、言ってしまえばお金を出せば誰でも受験ができてしまいます。

それに相まって、「宅建士は結構簡単」という噂が一人歩きしているため、「じゃあとりあえず受けてみるか?」といった感じで申し込む方も多いのではないかと思います。

誰でも気軽に申し込めるというのはもちろん良い点ではありますが、中にはほとんど試験対策をせずに受験に挑む方もおられるでしょう。

そうなってくると、宅建士試験の対策をしっかりして挑む方の割合が低くなってしまいますので、結果的に合格率も低くなってしまうのではないでしょうか。

理由その2:
入社早々に宅建士試験を受験させられるケースが多い!

宅建士は不動産業界ではなくてはならない資格であり、基本となる知識を学ぶにはもってこいの資格試験なので、入社早々の受験を推奨している会社も非常に多いです。

また、不動産業界に限らず、不動産を扱うような業種であれば同じく早期取得を促すところもあります。

この風潮からも、会社から半ば強制的に受験させられている方も一定数いると考えられるため、充分な準備をせずに試験当日を迎える方も少なからずおられると推測できます。

中にはそのまま頑張って試験対策をして宅建士を取得する方もいらっしゃるでしょうが、数としてはそこまで多くないでしょう。

人間は人に「やれ!」と言われてやると、自分の意思が伴っていないので大体いい結果が出ませんからね。

あと、合格率から少し話は逸れますが、毎年23万人近くの申し込みがあるにも関わらず、受験者数は18~19万人程度と、5万人近くが受験すらしていないことがわかります。

普通に受験当日に予定が入ってしまった方もいるでしょうが、上に挙げた自分の意思で申し込みをしていない方が、

「あ~全然試験勉強してないし受かる気しねぇ~…せっかくの日曜日にわざわざ行くのも邪魔くさいしブッチするか…」

といった感じで受験しない方もいるでしょう。

まぁ、こういった受験すらしていない方は合格率には影響しませんが、中途半端な気持ちで受験している方も多くいることが予想できるため、合格率もその分低くなってしまうのでしょう。

他の士業系資格の合格率と比較してみた

宅建士試験の合格率が大体毎年15~17%くらいだということはわかりましたので、他の士業系資格の合格率を出し、宅建士と比較してみたいと思います。

下記は2021年度(令和3年度)に行われた各資格試験の合格率です。
合格に必要とされている勉強時間や難易度も載せていますので参考にしてみて下さい。

■士業系資格の合格に必要な勉強時間と合格率
資格名 科目別
合格制度
勉強時間 合格率
(2021年度)
難易度
司法書士 なし 約3,000時間 5.14% 星5.0
公認会計士 あり 約3,000時間 9.58% 星5.0
弁理士 あり 約3,000時間 6.13% 星5.0
不動産鑑定士 あり 約2,000時間 7.90% 星4.0
税理士 あり 約2,000時間 18.82% 星4.0
土地家屋調査士 なし 約1,500時間 10.47% 星4.0
社会保険労務士 なし 約1,000時間 7.87% 星3.0
行政書士 あり 約800時間 11.18% 星3.0
マンション管理士 なし 約600時間 9.89% 星3.0
宅地建物取引士 なし 約500時間 17.67% 星2.0

このように、他の士業系資格はさすがの合格率の低さであり、試験の難しさが宅建士とは1段、2段違うことが想像できます。

ただ、そうはいっても宅建士だって100人受けて15~18人しか受からない試験。

ワンピースキャラの強さで例えるなら、超難関の司法書士、社労士あたりを赤髪のシャンクスだとすれば、宅建士も鷹の目のミホークくらいはあると考えておいて下さい。

決してウソップレベルだとは思わないで下さいね。(ある意味ウソップ最強説もありますがw)

ワンピース知らない方はすいませんw

まとめ

何度もクドいようですが、「宅建士試験は法律系・ビジネス系資格の中では比較的難易度が低く、合格率も高い方だと言われていますが、それはあくまで他の超難関とされる同系資格と比べれば低いという話であって、宅建士試験単体で見ると普通に易しい試験ではないです。」

ただ、過去20年の合格率平均16.5%という数字に必要以上にビクつくこともありません。

上でも説明したように、試験に落ちるべくして不合格になっている方も多くおられる事が推測されるため、頑張って試験対策をしている方だけに絞ればもう少し合格率も上がるはずです。

ですので、ここまで説明しておいてアレですが、宅建士試験の合格率のことはあまり気にせずに本試験で8割以上正解するという部分にフォーカスしてもらえればと思います!

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